尖閣問題に新局面

安倍政権の外交成果のひとつ。尖閣諸島周辺海域で、台湾との間に漁業協定が成立しました。

今のところ、台湾政府は尖閣諸島の主権を放棄したわけではありませんが、日本の施政権を前提とする協定に応じたことで明確に「日本寄り」の立場を表明したことになります。

驚いているのは中国です。これまで、中台共同で日本に対抗していたのに、いつの間にか日台連合ができそうなのです。中国メディアなどは「民族的裏切り」という批難が目立ちます。

ワールドメイトでは、深見先生を先頭に、昨年の秋から周辺国との領土問題などの解決を祈ってきましたが、確かにこうして新たな局面を迎えることになりました。


■首相「台湾は大事なパートナー」 尖閣漁業協定

 安倍晋三首相は12日、日本と台湾による尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の漁業権取り決め(協定)調印をめぐり日本側代表を務めた対台湾窓口機関、交流協会の大橋光夫会長と官邸で会い、「台湾は大事なパートナーだ。日本と台湾にとって非常に良かった」と述べた。同席した菅義偉官房長官は沖縄の漁業関係者への影響に関し「取り決めによって大きな痛手を受けないようきちんと対応する」と強調した。


■尖閣:日本と手を結んだ台湾、中国船追放の立場表明

今月10日に日本と17年ぶりに漁業協定を締結し、尖閣諸島(中国名:釣魚島)周辺海域での漁業権を獲得した台湾が、この協定で設定された日台共同水域に侵入する中国船は追放する、という公式の立場を表明した。

 これに対して中国は「中華民族全体の利益を損い、両岸間の信頼を破壊する行為だ」と反発し、尖閣諸島の領有権をめぐる日中間の対立が中台間の対立にも飛び火している。

 12日付の香港紙サウスチャイナ・モーニングポストは、日台漁業協定締結直後の記者会見で台湾の王進旺・海岸巡坊署署長が、記者から「両国が合意した共同水域に中国の海洋監視船や漁船が出現したらどうするのか」という質問を受けたのに対し「法の規定に従い、当該海域を離れるよう勧告したり、追放したりする」と語ったと報じた。また蔡日耀・台湾漁業署副署長も今月11日、立法院(国会に相当)で「中国の船舶は、日本と結んだ漁業協定の適用対象ではない」という答弁を行った。中国漁船は、台湾が日本から操業権を認められた海域で操業できないというわけだ。

 しかし、日本も防げない中国の海洋監視船や漁船の尖閣海域出現を台湾が防止・追放するというのは現実的には難しい、というのが専門家たちの分析だ。東シナ海の休漁期間が明ける今年9月以降、尖閣周辺海域で中国と台湾、日本の「三角対立」が起こるのではないか、という懸念も持ち上がっている。

 中国は台湾を非難している。親中系の香港紙・大公報はこの日「尖閣諸島は中国領で、両岸の漁船はどちらもこの海域に入って操業できる。台湾は、日本が与えるちっぽけな利益のために、民族の大義を捨ててはならない」と主張した。

 また中国国営の環球時報電子版も11日、在米華僑の評論家が執筆した「いっそ台湾は口を閉ざして黙っているべき」という趣旨の記事を掲載した。

 日台間の漁業協定は認められない、という意見も出ている。清華大学の劉江永・国際関係研究院副院長は「中国と日本は1997年に釣魚島に関する漁業協定を締結し、排他的経済水域(EEZ)制度も施行している。台湾は中国の一部なので、別途日本と漁業協定を締結する必要はない」と語った。

 一方、中国海軍の東海艦隊は今月10日から15日まで、浙江省寧波付近の東シナ海で実弾射撃演習に入り、これは日本・台湾間の漁業協定締結を念頭に置いたものではないかという見方が出ている。

 今回の演習には、戦闘艦艇はもちろん、早期警戒機や戦闘機も参加しているという。