世界経済の混乱と破壊を食い止めて

右をみても左をみてもいろんな人が不安に思っている昨今です。

トランプ大統領が就任して、予想を裏切る大暴走をやっていますが、安心よりは不安のほうが広がっても仕方ないことを毎日やっています。

米国が保護主義に走れば米国経済と米国の貿易相手国だけが困るのではなく、世界経済全体に打撃が加わる恐れがあります。

なんとかならないものか、とお祈りしているところえすが、マッターホルンでの節分神業でとっても有り難い神事を降ろして頂きました。「世界経済の混乱と破壊を食い止め、安定と発展に導く神事」をみた時にはホッとしました。

救いの道が降ろされている限り、人類は大丈夫です。といっても緩んだり、侮ったりしてはいけませんので、人類大の母性の祈りを極めに極めて、今夜からのご神業に向かわせていただきます。


[FT]「米国第一主義」は間違い 世界経済に大きな打撃

中国の習近平国家主席は1月17日、世界経済フォーラム(WEF)年次総会で、グローバル化について米大統領が話すと期待されるような内容の講演をした。トランプ米大統領は就任式で、貿易について米大統領なら絶対に言うとは思えない発言をした。このコントラストは衝撃的だ。

■グローバル化へ米中の立場逆転

 習氏は、グローバル化に困難がないわけではないと認めたが、「世界の諸問題の原因がグローバル化にあるとするのは、現実と矛盾する」と主張。むしろ「グローバル化が世界の成長の原動力となり、モノと資本の移動、科学、技術、文明の進歩、そして人々の交流を促した」と指摘した。習氏の考え方はWEFで講演した最後の米大統領のそれと合致する。クリントン大統領は2000年に、「開かれた市場とルールに基づく貿易こそが生活水準を引き上げ、環境破壊を減らし、繁栄を分かち合う最高のけん引車だということを明確に再確認する必要がある」と訴えた。

 トランプ氏はこの考えを拒絶する。「諸外国が我々の製品をつくり、企業を盗み、職を奪うという略奪行為から国境を守らなければならない。(自国産業の)保護こそが素晴らしい繁栄と強さにつながる」とし、さらに「我々は2つの簡単なルールに従う。米国製品を買い、米国人を雇うというルールだ」と言う。

 これは、ただのおしゃべりではない。トランプ氏はすでに環太平洋経済連携協定(TPP)からの離脱を決め、北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉の意向も表明した。そのうえメキシコに35%、中国に45%という極めて懲罰的な関税を課すとも脅している。背後にあるのは、トランプ氏の通商政策顧問を務める経済学者ピーター・ナバロ氏と商務長官に指名されたウィルバー・ロス氏が「トランプ・トレード・ドクトリン」と呼ぶ、「どんなディール(取引)も経済成長率を高め、貿易赤字を削減し、米国製造業の基盤強化につながらなければならない」という考え方だ。

 英国の読者は、これで英労働党の左派が1970年代に唱えた「代替的経済戦略(編集注、インフレや失業対策として労働者に軸足を置いた政策)」を思い出すだろう。こうした左派は、ナバロ氏やロス氏、トランプ氏と同様に貿易赤字は需要を抑制すると主張した。従って、輸入統制が彼らの解決策だった。トランプ氏の場合は、米国の貿易赤字を減らすことを狙うディールが解決策のようだ。世界最強の市場経済にして世界の主たる準備通貨の発行国である米国の政策立案者たちが、こんな粗野な重商主義を打ち出すとは誰が想像しただろうか。

■トランプ氏の側近、政策に疑いなく

 恐ろしいのは、トランプ氏の側近たちが、ほぼ完全に間違っていることを信じている点だ。例えば輸出品に付加価値税(VAT)が課せられないのは、輸出への補助金に等しいと考えている。それは違う。欧州連合(EU)で売られている米国製品には、欧州製品と同様、VATが課せられているし、米国で売られている欧州製品には米国製品と同じように、(税が導入されている地域・州では)売上税が課せられている。つまり国産品と輸入品の価格にゆがみはない。一方、関税は輸入品だけに課せられるので、相対的に価格をゆがめることになる。

こうした人たちは通商政策で貿易赤字が決まると考えている。だが、ざっくりいってそうではない。なぜなら貿易(および経常)収支は収入と支出の差を反映するからだ。全面的に関税を導入したとしよう。このことは国内の競争力のない一部の企業を保護するが、(消費者がその競争力のない商品を高く買わされることで)ほかの企業の製品が売れなくなることを意味する。トランプ氏の提案は、本来なら市場から退出すべきゾンビ企業の再生を目指しているように見える。こうした保護を講じれば投資先としての米国の魅力は低下し、対外赤字は減るかもしれないが、到底まともな戦略には思えない。

■米のTPP離脱、地政学的影響も

 さらに間違っているのは、2国間協定を良いと信じていることだ。貿易協定は企業間取引とは違う。すべての企業にとっての取引条件を定めるものだ。2国間協定にこだわると、世界の様々な市場は寸断されることになる。新たな2国間協定のために競争条件がいつ見直されるかわからなくなれば、企業は長期的な戦略を決めるのが極めて困難になる。

愚かな政策は甚大な影響を招きかねない。米大統領は、望めば事実上何でもできる法的権限を持っている。だが過去の協定をほごにすれば、相手国は必ず米国を信頼できない相手と見なすだろう。特に中国は報復してくるはずだ。米ピーターソン国際経済研究所は、中国とメキシコは合わせて米国の貿易額の4分の1を占めるため、両国と全面的な貿易戦争になれば、米民間部門の雇用480万人分が減ると試算する。サプライチェーンも分断されることになり、その深刻な影響は避けられない。

 地政学的影響も大きい。メキシコを追い詰めれば、この30年間の同国の改革の成果が覆り、左派のポピュリズム(大衆迎合主義)勢力が権力を握ることになるだろう。中国をたたきのめせば、最も重要な2国関係が何十年にもわたり傷つきかねない。米国のTPP離脱で、アジア域内の米国の同盟国が複数、中国になびく可能性もある。世界貿易機関(WTO)のルール無視は、世界経済を実態面から支えている体制を壊すことになりかねない。

 トランプ氏の「米国第一主義」は経済戦争の宣戦布告のようだ。米国の力は極めて強大だ。それでも自国の思い通りに物事を運べるわけではない。単に、自国がならず者国家に成り下がると他国に宣言することになりかねない。

 覇権国がひとたび自ら構築した体制を攻撃すれば、結末は2つしかない。現体制の崩壊か、新たな覇権国を軸とした新体制の構築のどちらかだ。習氏が率いる中国は、米国に取って代わることはできない。欧州、アジア諸国との協力が必要になるからだ。より可能性が高いシナリオは、体制が崩壊し、何でもありの通商政策が入り乱れる事態だ。習氏がWEFで示した考えは正しい。しかし、トランプ氏が支持しなければ実現しないだろう。そうなれば米国はもちろん、どの国のためにもならない。

By Martin Wolf

(2017年1月25日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)