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アメリカ経済、再びのるかそるか

豚インフルの恐怖は、せっかく持ち直しはじめた米国経済を直撃しています。ドルは円に対してフリーフォール状態。今日は一気に95円台に突入しました。

同時に、いよいよビッグ3のうち、GMとクライスラーの命運が定まりそうです。米国の経済や産業、社会全体に、途方もないインパクトを与える両社は今、生き残りをかけて、のるかそるかのギリギリの交渉を続けています。そして、その時間はあまり残されていないのです。

本日は、GMが自ら「国有化」を申し出たといい、一時的に株価が上昇しましたが、政府はそれを否定し、先行きは依然として不透明です。交渉期限まであと2日しかないクライスラーは、ほとんど倒産が決まりそうです。

金融部門の完全崩壊だけはなんとか食い止めたかに見える米国を、豚インフルエンザの大流行と自動車産業崩壊という、合衆国建国以来の大事件が同時に襲っているのです。オバマ政権は、どうやってこの危機を持ちこたえるのでしょうか。

「5月危機が来る」と言われていましたが、津波のように途方もない危機が押し寄せてきました。アメリカはふたたび、誰も予測できなかった巨大な危機に、同時に見舞われています。

そんな折の伊勢でのご神業です。アメリカ国民のためにも、全世界の民のためにも、必死の祈りを捧げるしかありません。



■GM、クライスラー 再建カギは債務削減、交渉難航も

2009年4月28日19時51分


 米自動車メーカーのゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーの経営再建策で、債務削減をめぐる債権者との交渉が最大の焦点になっている。「国有化」の可能性にまで踏み込んだGMは「倒産回避には9割の債務者の譲歩が必要」と迫り、クライスラーは度重なる条件変更で妥協点を探る。短期間で折り合えるかどうかはまだ未知数だ

 27日のニューヨーク株式市場で、GMの株価が終値で前週末比21%高と急騰した。GMが同日発表した新しい再建策では、国がGM株の過半を握る「国有化」によって、既存株主の比率がわずか1%まで低下する可能性がある。だが、この日の市場はひとまず「破綻(はたん)回避の可能性が従来より高まった」と好感された。

 新たな再建計画には、債権放棄や株式化を通じた440億ドル(約4兆3千億円)の債務削減を盛り込んだ。政府と、退職者向け医療費などを管理する全米自動車労組(UAW)の基金がそれぞれ100億ドル(9700億円)、一般の債権者が240億ドル(約2兆3千億円)もの債務を削減することになっている。

 GMの「言い値」では、6月1日時点の政府からの総借入額を200億ドル(約1兆9400億円)と想定し、その半分を株式に転換してもらう。労組の基金も200億ドルのGM分拠出額の半分を株式に転換する。両者は転換の条件が異なり、政府はGM株の50%、労組の基金が39%を握ることになるという。

 実質的な国有化をGMが自ら申し出た格好だが、ホワイトハウスのギブズ報道官は27日の会見で「政府は自動車メーカーの日々の経営を担うつもりはない」と述べた。ただ「再建計画は米政府の指導を反映している」(GMのフレデリック・ヘンダーソン最高経営責任者)といい、政府もすでに大枠で承認している可能性が高い。

一般債権者がもつ無担保社債は総額270億ドル(約2兆6200億円)。GMが削減を求める約240億ドルは9割にあたる。そのすべてが株式に転換された場合、一般債権者の保有分は10%になるという。政府保有分との条件の差が際だつ。

 ロイター通信によると、債権者団体は「一般債権者には、不公平な割合の株式しか割り当てない計画だ」と早くも反発。5月26日までの募集期間にどれだけの債権者が応じるかは不透明だ。

 クライスラーの命運を握るのも、債権者との交渉だ。UAWと労働協約の改定について26日に合意できたことで、債務削減交渉が再建への最大の関門になった。クライスラーは、米政府からほとんどすべての債務を削減するよう求められている。

 米メディアによると、有担保社債を保有するグループは24日、総額69億ドル(約6700億円)から46%削減して37.5億ドルとし、40%分のクライスラー株を受け取るという新提案をした。しかしクライスラー・政府側は「78%削減するよう求めている」と報じられており、両者の主張はいまだに隔たっている。

 いまの計画では、債権者が株式化に応じると、新クライスラーの10%の株式を取得することになる、と米紙ウォールストリート・ジャーナルは27日報じている。労組との合意によって、労組がクライスラー株の55%を持つ筆頭株主になり、資本・業務提携を検討しているイタリアの自動車大手フィアットは35%を取得するという。

 今の大株主で以前の合併相手だった独自動車大手ダイムラーは27日、保有するクライスラーの全株(19.9%)を放棄することを決めるなど株主構成は一変する見通しだ。

だが、非上場会社であるクライスラーの債権者は、JPモルガン・チェース、シティグループなど大手金融機関が中心。金融危機で自身の経営も厳しく、担保があるためクライスラーが倒産しても一定額は返ってくるため、強気の交渉を続けている模様だ。

 このため、「交渉がまとまらず、破産申請に追い込まれる可能性は依然として高い」(米アナリスト)との見方も根強い。クライスラーに残された時間はあと2日だ。(デトロイト=山川一基、ニューヨーク=丸石伸一)