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「偶発戦争」の危険

北朝鮮問題の主戦場は、現在、安保理です。

前回の人工衛星(もどき)騒ぎで失態を演じた日本は、今回は米国主導での制裁案通過を狙っているようですが、さすがに厳しい草案が出てきました。

「海上封鎖」と「金融封鎖」という、北朝鮮の存続にかかわる強硬な措置であり、場合によっては武力行使の可能性も排除しないというもの。かつて日本がこれをやられて日米開戦に突入したことを考えると、安保理は大きな決断を迫られていることがよくわかります。

これをやられると、おそらく北朝鮮はもたないでしょう。李委員長ら軍部強硬派もまた、重大な決断を迫られます。何らかの対抗策をとってくるでしょうが、日米韓側への譲歩はすなわち、現体制の崩壊につながりかねません。かといって、何もしないでいると国が滅ぶ。究極の駆け引きです。

もっとも、問題が理性的な枠組みで処理される確証もありません。武力を背景にした船舶臨検など開始すれば、事故的に武力衝突が発生し、紛争に発展する可能性もあります。「偶発戦争」です。

事実、北朝鮮海軍が、挑発行動あるいは、軍事攻撃の準備に入ったというニュースもあります。小さな小競り合いから、大きな戦争に発展しかねません。まさに、開戦前夜といっていいでしょう。


白山、そして伊勢での仕上げの神業のある6月を前に、大変な緊張が、東アジアを包んでいます。



■対北決議草案、船舶検査で「武力行使」の余地…米提案か

 【ニューヨーク=白川義和】日米両国が英仏中露韓の5か国に配布した北朝鮮の核実験に対する国連安全保障理事会の決議草案をめぐり、北朝鮮の船舶などの貨物検査の際、「必要なあらゆる手段の行使を許可する」との表現で武力行使を容認する条項が検討されていることが28日わかった。

 中国が難色を示す可能性は高いが、米国が北朝鮮に断固とした立場を示すため、強硬措置を提案した模様だ。

 日米の草案は、また、「国連憲章7章下で行動する」と規定した。2006年の核実験後に採択された決議1718は、「憲章7章下で行動し、41条に基づく措置を取る」としていたが、今回の草案は非軍事的制裁に限定する41条に触れておらず、将来の軍事行動の余地を残している。

 問題の条項は核、ミサイル関連物資や兵器を積んでいると疑われる場合、公海上での船舶立ち入りも含め、「北朝鮮を出入りするすべての貨物を検査するため、必要なあらゆる手段の行使を許可し、すべての国連加盟国がこれを行使することを求める」としている。搭載貨物が疑わしい航空機の領空通過禁止を加盟国に義務づける条項も検討されている。

 金融制裁では加盟国が自国の金融機関に対し、北朝鮮の「外国貿易銀行」と「朝鮮大聖(デソン)銀行」との取引口座を持つことを禁止するよう義務づける条項が提起されている。

 ◆国連憲章7章=平和に対する脅威や侵略行為に対する安保理の行動を規定している。同章40条で勧告など予防的暫定措置、41条で経済制裁など非軍事的措置、42条で軍事行動を定めている。

(2009年5月29日14時46分 読売新聞)



■緊張高まる朝鮮半島、韓国は北朝鮮の攻撃を警戒

2009年 05月 29日 17:16 JST

[延坪(韓国) 29日 ロイター] 中国の漁船が韓国と北朝鮮の黄海上の境界線を離れつつあるとの報道を受け、韓国当局は、挑発行為をエスカレートさせる北朝鮮が攻撃を準備している可能性があるとの見方を示した。

 韓国と北朝鮮の海軍は過去に複数回、同海域で衝突している。

 韓国国防省のスポークスマンは「われわれは(中国の漁船による)一連の動きについて、北朝鮮が攻撃に出る可能性を示す兆候かもしれないと見て注視している」と述べた。

 北朝鮮による核実験の実施と韓国への軍事攻撃の警告を受け、韓国と米国の連合軍司令部はすでに北朝鮮に対する監視レベルを引き上げている。

 またニューヨークの国連本部では、日本と米国が安全保障理事会(安保理)による対北朝鮮制裁決議の草案を主要国に提示。北朝鮮による2回目の核実験を強く非難し、既存の対北朝鮮制裁の徹底を加盟国に促す内容となっている。

 一方、朝鮮半島情勢の緊迫化はこれまでのところ、金融市場には大きな影響を与えていない。市場関係者は、北朝鮮の好戦的な姿勢は不安材料ではあるものの、実際に武力衝突がない限り投資意欲が大きくそがれることはないとの見方を示している。